群馬大学総合情報メディアセンター中央図書館 郷土かるたコレクション

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俳句歌留多 千代女一人百句

かるたの箱画像
制作・発行 松任市
関連情報 松任市制20周年記念
俳句解説:山根公
かるた装画:西のぼる
発行年 1990年
地域詳細 石川県松任市(現 白山市)
枚数 200枚
裏面解説 なし
附属資料 解説書
種類 市町村かるた
新年の句、春の句、夏の句、秋の句、
冬の句
備考 一人百句

説明

 「朝がほやつるべとられてもらひ水」、「百生や蔓一すじの心より」等の句は、本市が敬慕する江戸時代の女流俳人千代女の代表句であり、千代女の名とともに全国に知られ親しまれています。
 千代女の人となりは、常磐津・清元・箏曲など古典的な芸能の分野においても広く伝承されていますが、この俳句歌留多「千代女一人百句」は、日本はもとより海外でも広く愛誦されてきた作品を中心に百句取り上げ、遊びを通して俳句に親しみ、千代女に対する理解と関心をさらに深めていただくために、松任市制二十周年を記念して企画、制作しました。
 松任の心ともいえる千代女の真髄を鑑賞してください。

(解説書より転載)

読み札・取り札

※枚数が多いため、季節の句ごとに掲載しています。

春の句

朝夕に雫のふとるこのめ哉 しづくのふとるこのめかな
言さして見直す人や朧月 みなおすひとやおぼろつき
うくひすや又言なをしいひなをし またいひなをしいひなをし
鶯や我が聞をまづわが初音 わがきくをまづわがはつね
うつむいた所が台やすみれ草 とこがうてなやすみれそう
梅が香や鳥は寝させてよもすがら とりはねさせてよもすがら
梅咲や水もほどけるその日より みづもほどけるそのひより
梅咲や何が降ても春ははる なにがふってもはるははる
思ひわすれ思ひ出す日ぞ春の鹿 おもひだすひぞはるのしか
影は滝空は花なりいとさくら そらははななりいとさくら
きじ啼て土いろいろの草となる つちいろいろのくさとなる
転びても笑ふばかりひひな哉 わらふてばかりひひなかな
囀りを世にや譲りて松の琴 よにやゆずりてまつのこと
里の子の肌まだ白しももの花 はだまだしろしもものはな
蝶々や何を夢見て羽つかひ なにをゆめみてはねつかひ
蝶々やをなごの道の跡や先 をなごのみちのあとやさき
蝶ほどの笠になるまでしたひけり かさになるまでしたひけり
つくつくしここらに寺の跡もあり ここらにてらのあともあり
出かかりて都はなれぬ柳かな みやこはなれぬやなぎかな
とぼし灯の用意や雛の台所 よういやひなのだいどころ
春雨やうつくしうなる物ばかり うつくしうなるものばかり
春雨や土の笑ひも野に余り つちのわらひものにあまり
拾ふものみな動く也塩干潟 みなうごくなりしおひがた
ふたつみつ夜に入そうな雲雀哉 よにいりそうなひばりかな
水ぬるむ小川の岸やさざれ蟹 おがわのきしやさざれがに
結ふと解ふと風のやなぎかな とこふとかぜのやなぎかな
ものひとついはでこてふの春くれぬ いはでこてふのはるくれぬ
山吹のほどけかかるや水の幅 ほどけかかるやみづのはば
鑓もちや雛のかほも恋しらず ひひなのかほもこひしらず
若くさや帰り路はその花にまつ かえりじはそのはなにまつ
をしなべて声なき蝶も法の場 こへなきてふものりのには

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